Carbon言語で始める「Hello, World!」
はじめに
Carbonは、Googleが開発中の新しいプログラミング言語であり、C++の後継を目指しています。その目的は、C++の複雑さを解消し、モダンな言語設計と高いパフォーマンスを提供することです。本記事では、Carbon言語での「Hello, World!」プログラムの作成手順を詳しく解説します。
開発環境の構築
Carbonは現在も開発中のため、公式のビルド手順に従って環境を構築する必要があります。以下は、Ubuntu(WSL2を含む)環境での手順です。
Homebrewのインストール
Homebrewは、macOSやLinux向けのパッケージマネージャーです。公式サイトの指示に従ってインストールしてください。
インストール後、
~/.bash_profile
(または使用しているシェルの設定ファイル)に以下を追記し、設定を反映させます。
export PATH=/home/linuxbrew/.linuxbrew/bin:$PATH
その後、以下のコマンドで設定を反映します。
source ~/.bash_profile
必要なツールのインストール
Carbonのビルドには、
bazelisk
とllvm
が必要です。以下のコマンドでインストールします。
brew install bazelisk
brew install llvm
git clone https://github.com/carbon-language/carbon-lang
cd carbon-lang
「Hello, World!」プログラムの作成
プログラムの作成
任意のディレクトリに
hello.carbon
というファイルを作成し、以下のコードを記述します。
package hello api;
fn Main() -> i32 {
Print("Hello, World!");
return 0;
}
コードの解説:
package hello api;
:hello
というパッケージを定義し、APIとして公開することを示しています。fn Main() -> i32 { ... }
:エントリーポイントとなるMain
関数を定義しています。戻り値の型はi32
(32ビット整数)です。Print("Hello, World!");
:標準出力にHello, World!
と表示します。return 0;
:プログラムの実行が正常に終了したことを示すために0
を返しています。プログラムの実行
carbon-lang
ディレクトリ内で、以下のコマンドを実行してプログラムをビルド・実行します。
bazel run //explorer -- ~/hello.carbon
正常に実行されると、以下の出力が得られます。
Hello, World!
result: 0
注意:Carbonは現在も開発中のため、環境やバージョンによっては手順やコマンドが変更されている可能性があります。最新の情報は、公式のGitHubリポジトリ(https://github.com/carbon-language/carbon-lang)を参照してください。
まとめ
Carbon言語での「Hello, World!」プログラムの作成手順を解説しました。CarbonはC++の後継を目指しており、今後の発展が期待されます。興味のある方は、公式リポジトリやドキュメントを参照し、最新情報を追ってみてください。