Dartとは?初心者向けに解説
1. Dartとは?
Dartは、Googleが開発したオープンソースのプログラミング言語で、主にモバイルアプリ開発(Flutter)に使用されます。
JavaScriptに代わるWeb開発言語としても設計されており、シンプルで高速な処理が特徴です。
◇ Dartの主な特徴
- シンプルな構文
JavaやC言語に似た構文で、学習コストが低い。 - Flutterとの統合
Googleのフレームワーク「Flutter」と組み合わせて、クロスプラットフォームのアプリ開発が可能。 - JIT & AOTコンパイル
開発時はJIT(Just-in-time)で高速実行、本番環境ではAOT(Ahead-of-time)で最適化される。 - 静的型付け & 動的型付け
var
を使えば動的型付け、型を指定すれば静的型付けが可能。
2. Dartのメリット
◇ シンプルで分かりやすい
Dartの構文はJavaやC言語に似ており、初心者にも学びやすいです。
void main() { print("Hello, Dart!"); }
◇ 高速な開発が可能
Flutterを使ったアプリ開発では、「ホットリロード」(コードを変更しても即座に反映)機能があり、開発スピードが向上します。
◇ クロスプラットフォーム開発
Dartを使えば、iOS・Android・Web・デスクトップのアプリを1つのコードで開発できます。
◇ 型安全性が高い
Dartは型推論をサポートし、バグを未然に防ぎやすくなっています。
3. Dartの基本構文
Dartの基本的なコードを見てみましょう。
◇ 変数の定義
void main() { var name = "Dart"; // 型推論(String型) String language = "Flutter"; // 明示的な型指定 int version = 3; double pi = 3.14; bool isAwesome = true; print("$name is awesome!"); }
◇ 条件分岐
void main() { int number = 10; if (number > 5) { print("5より大きい"); } else { print("5以下"); } }
◇ ループ
void main() { for (int i = 0; i < 5; i++) { print("カウント: $i"); } }
◇ 関数の定義
int add(int a, int b) { return a + b; } void main() { print(add(3, 4)); // 7 }
4. Dartの環境構築
Dartを使うには、以下の手順で環境を構築します。
◇ 1. Dart SDKのインストール
公式サイトからDart SDKをダウンロードしてインストールしてください。
◇ 2. Dartの実行確認
インストール後、ターミナルで以下のコマンドを実行してDartが使えるか確認します。
dart --version
◇ 3. Hello Worldを実行
ターミナルで以下のコマンドを入力すると、Dartコードを実行できます。
dart run
または、Dartファイル(hello.dart
)を作成して以下を記述し、実行してみましょう。
void main() { print("Hello, Dart!"); }
dart hello.dart
5. Dartの実践的な活用
◇ クラスとオブジェクト
Dartはオブジェクト指向言語で、クラスとオブジェクトをサポートしています。
class Person { String name; int age; Person(this.name, this.age); void introduce() { print("私は$nameです。$age歳です。"); } } void main() { var person = Person("太郎", 25); person.introduce(); }
◇ 非同期処理(async/await)
Dartは非同期処理をサポートしており、ネットワークリクエストやファイル操作で活用されます。
import 'dart:async'; Future<void> fetchData() async { await Future.delayed(Duration(seconds: 2)); print("データを取得しました!"); } void main() { print("取得開始..."); fetchData(); print("他の処理を実行"); }
6. まとめ
Dartは、シンプルで学習しやすいプログラミング言語であり、Flutterを用いたクロスプラットフォーム開発に最適です。
特に高速な開発、型安全性、非同期処理のサポートが強みで、モバイルアプリ開発者にとって魅力的な選択肢となっています。
これからDartを学ぶなら、まずは基本的な構文を理解し、Flutterと組み合わせて実際にアプリを作ることをおすすめします。